2006年6月17日

先日ニューヨーカーで読んだ、イタリアの突撃ジャーナリスト、オリアナ・ファラーチに関するルポは面白かったです。1968年のメキシコの市民暴動の取材時には、軍に逮捕されて、髪をつかまれて地下室に引きずり込まれ、3発も銃弾を受けていますが、生き残りました。最も傑作なのは、アヤトラ・ホメイニにインタビューしている時に女性差別に怒り出して、この最高指導者の前でチャドルを脱ぎ捨てたことでしょう。イスラム教徒にとっては、全裸になるのと等しい行為です。ホメイニは驚愕して飛び上がり、部屋を出て行ってしまったということです。数日後ホメイニが怒りを鎮めて、インタビューを再開したら、ファラーチがまた女性蔑視に関する同じ質問をしたので、ホメイニはあきれて大笑いしたということです。たいした根性です。

それにしても最近のオリアナ・ファラーチの反イスラム発言は、内容も表現もちょっと行き過ぎではないかと思えるほど過激です。わざとそうしているのだと思いますが。

なぜ日本にはニューヨーカーのように洗練された、ジャーナリスト魂のある雑誌がないのでしょうか。